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イザー)の効果のためか横揺は小さく、縦揺が支配的であった。また時々船首揺も感じられた。ブリッジを訪れた時にはブリッジフロントの窓全面が白くなり前方が全く見えなくなるほどの海水打ち込みがあった(しぶきが多い)。この時の船速は約15ノットであった。
簡易運動計測装置で計測したSS71/2付近の前後、左右、および上下方向加速度の時系列を図2.3.2.5)−2〜4に示す。さらに上下加速度のスペクトルを図2.3.2.5)−5に示す。これらの解析から得られる各加速度の統計量を表2.3.2.5)−2に示す。なお、本表には後述される同じ航路の高速艇の計測結果む示されている。
加速度の時系列と統計解析値を見ると、新潟港の防波堤を出た直後の動揺が最も激しく、佐渡島に近づくにつれて動揺が収まっている。波方向と航路の関係から、島に近づくと島影に入って波が小さくなるためと想像できる。船酔いに影響が大きいと思われる上下加速度は港外に出た直後に平均0.1G、佐渡島入港前は平均0.05Gとなっている。この時の動揺周期は約5.5秒で船酔いしやすい動揺周期である。なお、前後および左右方向加速度は上下方向加速度に比較して小さい。
本航海の上下加速度の大きさを評価するため、ISOの基準値と比較した。図2.3.2.5)−6に新潟港の防波堤を出てから両津港入港までの上下加速度の計測値を1/3オクターブバンド解析した結果をIS0基準と比較して示す。0.16Hz付近の加速度が2時間の限界値にあり、本評価からは乗り心地の面で厳しい状態であったことが伺える。
?船酔いの状況
船体動揺がかなり大きかったため船酔い者も多かったようである。実船実験チームの状況とアンケート結果から得られる船酔い(船酔いによる嘔吐)の状況は下記の通りである。

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